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第一渡辺文録

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松陰ノ隧道ニ想フ その十 松陰第二隧道について

台帳上の「松陰第二」隧道もそれほど思い入れは無かったと記憶している。



旧道化して今年(2014年)で30年となるが、意外なほどにその時間を感じないものだ。
現道の工事が始まってからの記憶しか無いからなのだろう。岩山があった頃のことが思い出せないでいる。


昭和28年頃にコンクリート巻きの隧道に改修されているのだが、特に変哲もない古い隧道であったことぐらいだ。延長も短く、何の気兼ねもなく通っていたと思う。


どんな眺望があったのだろう。そんな想像すらしなかった━━━そのくらいに隧道の存在は身近であり日常の風景だったのだろうか。



道は土砂に埋められ、当時の様相を計り知ることができなくなった。現道を通すために開削された跡に残る海側の岩山と松だけは30年変わらない風景だろうか。


昭和20年代の隧道とあって、巻厚も薄いものである。その上部の法面のような部分に、この隧道を改修した時に産出したであろう花崗岩が用いられているようだ。


「第二」を潜り、その先のもう一つの崎を「第三」が穿たれている。


古い吹付法面の風化崩落も著しい草叢の奥に、想うべき「松陰の隧道」が姿を現す。


その十一へ

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